aNueNue Ukulele 2本来た~♪(その2)aNN-UT100の話

※UT100の画像とaNueNueロゴはaNueNueMusicのサイトから拝借しました
※UT100の画像とaNueNueロゴはaNueNueMusicのサイトから拝借しました

aNueNue aNN-UT100

“その1“の方で書いた、「なんだこれわ」と思ってしまったウクレレがこれ。

 

音圧が圧倒的。言い換えれば、音がデカくて、コンプをかけたように長く響く感じ。長くって言っても僕の印象としてはロングサスティーンとはちょっと違うんだよね。いつまでもずっと音が徐々に減衰しながら伸びて行く感じじゃなくて、デカい音が伸びながら一定時間が経つとふっと急に減衰する。語彙力がないので、コンプをかけたような、としか表現出来ない私。笑。

 

トルクがあってぱーんと伸びて、直線で遠くまで飛んで行く感じ。そう言う音かな。実際に公民館などでの大人数レッスンで使用してみたところ、後ろの方にいる人たちにはいつもより音がはっきり聞こえたようで、先生それ新しい楽器でしょと普段新しい楽器にさほど反応しないと言うか気がつかない生徒さんたちにもしっかり気がついてもらえて。それだけこのUT100の音って特徴的ってことだよね。

音圧の秘密はラティス

ウクレレ100本大展示会の会場でaNueNueの岩崎さんがさかんに仰っていたのが、このウクレレのブレーシングのこと。プレーシングが今までのaNueNueのウクレレとは違う。ラティスブレーシングになっているため、今まで聞いたことがない種類の音が出るのだと。ウクレレでラティスブレーシングって他のウクレレメーカーやルシアーさんでも確かに聞いたことなかったかも。

 

ウクレレの表板のブレーシングは、ファンブレーシングと言う、3本程度の力木(ちからぎ)をサウンドホール方面からボディエンド方面に放射状に貼り付ける方法が一般的なのね。アコギみたいにX状に貼り付けてるウクレレもあるかな。ついでに言うとコアロハはユニブレースと言う全く違う発想のブレーシング。

 

力木は表板の補強の役目をしつつ、弦の振動をブリッジから表板全体に伝えて表板全体を振動させる仕事も担うため、その配置や貼り付け方、もちろん太さや厚さ硬さ、材の種類、材の木目などで表板の振動の仕方が著しく変わる。凄い重要なパーツ。

 

でね。このUT100の表板のラティスブレーシングの写真がこれ。aNueNue岩崎さんから頂いた画像で、SNS発信のご許可も頂いています。

うん。格子。ラティスだよね。4本+4本。しかもこの力木、ほっそ!なるほどこの構造ゆえに弦の振動を表板全体に効率よく伝わって、しかも力木が細いため表板と一緒になってシナって振動してくれるからあの音圧が出るってことか。凄いなこれ。(ちなみに、このUT100と同じシリーズのソプラノモデルUS100とコンサートモデルUC100の力木は3本+3本とのことです。)

 

調べてみたらラティスブレーシングはクラシックギターでは振動の伝達効率を考えて採用してる工房もある様子。でもウクレレでは確かにこの構造、初なのかもしれない。

 

 

ピックアップも凄かった

aNueNueのピックアップは、AirBlueとAirAirの2種類があるらしいんだけど、UT100のピックアップはAirAir

 

AirBlueもAirAirも、いわゆるアンダーサドルピエゾとエアーマイクのハイブリッドピックアップなんだけど、両者の違いは主にはエアーマイクの性能。見た目は基盤の色の違いしかわからないんだけど、聴き比べてみるとAirAirの方がやっぱり生音に近い音がアンプから出る。

 

これまで僕がライブで使っていたピックアップはアンダーサドルのL.R.BaggsとiRigの廃版になっちゃった三角ピック型のエアーマイクのデュアルだったんだけど、それより断然使いやすい。なんたっていちいちiRig繋がなくて良いんだからね。で、音も 、AirAirの方に軍配が上がるなあ。悔しいけど(笑)。

※写真はaNueNueのサイトから拝借。
※写真はaNueNueのサイトから拝借。

細かい話

ちなみにこのウクレレの表板はシトカスプルースで、サイド&トップはマホガニー。ネックはアフリカマホガニーで、フィンガーボードとブリッジはインディアンローズウッド。ヘッドプレートはエボニーなんだけど僕のところに来た個体のヘッドプレートには少し縞が入っていて味がある感じ。

 

面白いのはバインディング。バインディングがサイド&バックと同じマホガニーで、デザイン上殆どアクセントになってないんだど、なんだかちょっと粋で良いなと。

 

難を言うとするとナット幅がもうちょい欲しいかな個人的には。36.5mmなので標準っちゃ標準なんだけど、38mmあると個人的には嬉しい。


それと、ナットからヘッドに向けてのくぼみ(ここなんて言うの?ヘッドの首部分のこと)が、もうちょっと深いと良いのにと思う。1~2フレットを押弦する際に、左の掌をヘッド側に逃がしたい時に、つっかえちゃって工夫が必要になるんだよね。それがちょっとストレス。もう5mmで良いからヘッド部分の首(ネックのことじゃないよ)を伸ばして欲しい。aNueNueさん是非ご一考お願いします。

 

あと、デフォルト状態の弦高。これがちょっと高い。まあこの弦高があるから余計音がパーンと出るというのはあるんだけど、流石にちょっとテンションが高過ぎて弾きづらかったので納品後直ちに自力でサドルを削ってしまった私です。

 

なんて色々言ってみました。このあたりのことをクリアした改良版、作ってくれないかなぁ。あ。そしたらまた買わなきゃいけないか笑。

 

 

このモデルの名称について

書きそびれていたのだけれど、このUT100のシリーズ名、正式にはなんて言えば良いのかがちょっと謎、笑。

 

バードシリーズのウクレレで、トップ(表板)がシトカスプルースなので、Sitka Bird(シトカバード)シリーズとも言うらしいんだけど、aNueNueのWEBサイト上はBird100シリーズって名乗ってる。ん?どっちが正式?

 

あ。閃いた。Bird100 Sitka Bard。きっとそうだこれが正式、と勝手に解釈しておこ。

 

にしても、Birdって何で?笑。このあたり、調べてその3で書いてみます。

 

 

 

試し弾き動画

aNueNue UT100E、ちょっとだけ弾いてみました。