KIWAYAのマホテナー来た〜!


KIWAYAいいなの原体験

本格的にウクレレを弾き始めたのは確か2016年の秋から冬に変わる頃だったかな。その頃から気になって仕方なかったのがKIWAYAブランドのウクレレだった。

当時島村楽器のイオンモール太田店に展示されていたKIWAYAのコンサートを試奏させてもらって、いいなぁと思った事をよく覚えている。これが『KIWAYAいいなの原体験』だった。

私の手にしっくり来る38mm幅の幅広ナットとDシェイプのネック。フィンガーボードには押弦した時にしっかりした手応えを感じられる、太めのフレットバー。弾いてみると存在感と透明感が両立している好みのサウンド。ちなみにKIWAYAのウクレレは、ソプラノもコンサートもテナーもネックの特徴は同じだ。


実はウクレレを始めるに当たって最初に三ツ葉楽器に作ってもらったZephyrの赤いテナーも、本格的にウクレレ講師業を始めるに当たってAkira Niihoriさんに作ってもらった17.5インチスケールのソマリテナーも、ネックやフレットバーの仕様はKIWAYAのウクレレを参考にして作ってもらったもの。それほどKIWAYA、気になっていた。

なので、自分の生徒さんたちにもKIWAYAのコンサートサイズのマホガニーモデルをよく勧めていて、実際に何人かの生徒さんたちにも使ってもらっている。

KIWAYAウクレレのネックやフレットを参考にして作ってもらった2本のウクレレ。左:Zephyr テナー 右:AkiraNiihori テナー
KIWAYAウクレレのネックやフレットを参考にして作ってもらった2本のウクレレ。左:Zephyr テナー 右:AkiraNiihori テナー
とは言うものの、が、ついに。

とは言うものの、自分ではそうそうウクレレを買うわけにも行かず、購入までには至らずすっと過ごしていたのだが・・・ここへ来て、昨年12月に浅草のKIWAYAさんにお邪魔した時にKIWAYAウクレレを何本か触らせてもらったり見せてもらったりしていて、やっぱりこれ、1本手元に置いておきたい否おいておきなさいとウクレレ沼の女神様(誰?)に囁かれてしまい、ついつい今回ズブズブっと行ってしまった。

と言うわけで今回私の家に来たのは、KIWAYAのKPT-5M/E(MOP)。
KIWAYA KPT-5M/E(MOP)
KIWAYA KPT-5M/E(MOP)


知名度は高くないかも。だけど。


【KIWAYA】は、Made in Japanのウクレレをキワヤ商会さんが海外向けに出荷する際のブランドとして2004年から使っている名称。元々海外での評価が高かったこのブランドをキワヤ商会さんが国内向けにも展開し始めたのは2015年。まだ日が浅い。なので、例えばFamousなどと比較するとまだまだ知名度は高くはないかもしれない。

だけど、このブランドのウクレレ、私は強く推したいのだ。理由はこの後つらつらと書く。


KIWAYAウクレレのラインナップ

さて、その前に。ここでちょっとKIWAYAウクレレのラインナップを紹介しておこう。

KIWAYAウクレレには、Made in China の『Student Model』シリーズと、Made in Japanのシリーズがあり、前者は廉価版、Japanの方は標準シリーズ・忍シリーズの2系統があり、今回は標準シリーズについて述べたい。

で、KIWAYAウクレレのJapan標準シリーズ。

サイズはソプラノ・コンサート・テナーの3種類あって、それぞれにシンプルモデルとプレミアムモデルがある。で、シンプルな『1』モデルとプレミアムな『5』モデルの双方に、ハワイアンコアモデルとマホガニーモデルが用意されている。こんなラインナップ。

例えばテナーだと、シンプルモデルのコアがKPT-1K/E、マホがKPT-1M/E。プレミアムモデルはコアがKPT-5K/E、マホがKPT-5M/E。

プレミアムモデルのコアはマスターグレードのカーリー杢がまばゆい。さらにこのカーリー杢のコアを縁取るアバロン貝のパーフリング。かような神々しいお姿をしているにもかかわらず、価格を見ると税込定価20万円台前半。他のブランドのウクレレで同様の仕様のものと比較すると、かなりお得な価格帯だと思うのだ。たぶん近いうちに値上がり必至と予想。

なんと神々しいカーリー杢の数々。どの個体もこんな杢。写真:キワヤ商会WEBサイトより
なんと神々しいカーリー杢の数々。どの個体もこんな杢。写真:キワヤ商会WEBサイトより


などと言いつつ

などと言いつつ、今回私が買ってしまったのはマホガニーのプレミアムグレードの方なのだが。いや、コアもカッコイイし音も良いんだけど、マホガニーウクレレの少し落ち着いた音の方がより好きなので。価格もコアモデルより少し買いやすい。

型番は前述の通りKPT-5M/E(MOP)。『M』はマホガニー。『/E』は指板とブリッジにエボニーを使っているとの意味のようだ。

 


『5M』モデルはキワヤ商会では限定品と謳っていて、実際にいつでも在庫があると言うしろものではないようだ。今回購入したモデルはキワヤ商会さんでも残り在庫2本だけとなっていて(2023年1月上旬当時)、私は色目が濃く、音色もダークな感じの方を選ばせてもらった。トップとサイド&バックに使われているのはホンジュラス・マホガニー。マスターグレードのコア同様の希少材だ。ネックはアフリカン・マホガニー。(ちなみに『1M』モデルのボディはアフリカン・マホガニーとなる。)

 

ボディとネックの塗装はピカピカツルツルのグロス塗装。


パーフリングはアバロン貝の物と白蝶貝のものと2種類あるようなのだが、私は白蝶貝の方を選んだ。型番に『MOP』とあるのは白蝶貝(マザーオブパール)の頭文字。いわゆる真珠貝だよね。写真で見るとキラキラ感は殆どないのだが、実物を見るとキラッキラ。アバロンのように色とりどりではない分、品が良いような(個人の主観です笑)。

 

ヘッドにあるKIWAYAロゴも指板のポジションマークドットインレイも白蝶貝なので統一感もある。この『5』モデルのドットは『1』モデルよりもかなり大きく、4弦側に寄せて埋められていることとも相まって、バツグンに見やすい。

 

バインディングはカーリーメイプルでトップ面にだけ巻いてある。

音色はと言うと、ちょっと重めで落ち着きがありながら、コンプレッサーが効いたように長く響く減衰音は透明で倍音も豊か。シビレル。デフォルトの弦はWorthのフロロカーボン。そのおかげもあってこの音色になっているに違いないのだが、弦はまた今後色々と試して自分好みの手触りと音色を探ってみたい。


ヘッドにはゴトーのUPTペグのゴールド。ペグボタンは黒。ヘッドの形状が忍者ハットリくんの頭巾っぽいのは元々海外向けのブランドだったからかな。海外向けだから日本らしさが出るようにニンジャっぽく、って。(あ。ハットリくん知らない?藤子不二雄先生の漫画です。)

━━━今回、ピエゾマイクも仕込んでもらった。L.R.BaggsのFIVE-O。よし。ライブ即戦力。いや、ライブで使うのはちょっと楽器に慣れてからだけど笑。

いずれにしても、ようやく手元に来たお気に入りの楽器だ。おーし!弾くぞー。

 

★キワヤ商会さんのWEBサイトはこちら。

 →kiwayasbest